道具 2026-09-11
ラグビーのマウスガード選び方|大学生プレーヤー向け完全ガイド
新歓シーズンや新学期に用具を揃えるとき、「マウスガードって結局どれを買えばいいのか」で立ち止まる新入部員は少なくありません。高校までは学校や部活動が用意してくれたという人もいれば、自分で選んだことがないという人もいるはずです。この記事では、大学ラグビーの現場を想定して、マウスガードが本当に必要なのか、種類ごとの違いは何か、限られた部費・自己負担の中でどう選べばよいかを、協会規定や歯科医療の公開情報をもとに整理します。
マウスガードはなぜ必要なのか
ラグビーはスクラム・タックル・モールなど、選手同士が至近距離で強く接触する場面が多いスポーツです。マウスガードを装着することで、コンタクトの衝撃が歯や顎、頬の内側の粘膜に直接伝わるのを和らげる効果があるとされています。日本歯科医師会や日本スポーツ歯科医学会もラグビーを、マウスガードの着用が推奨される、あるいは義務づけられる競技のひとつとして紹介しています。なお、マウスガードには歯や顎、口腔内の軟部組織を保護する効果がある一方、脳震盪そのものを防ぐ効果については明確に立証された一次情報が見当たらないため、この記事では「歯・顎・頬の内側を守る用具」という確認できる範囲で説明します。
大学生のマウスガード着用は「義務」なのか
ここが多くの解説記事であいまいにされがちなポイントです。結論から言うと、日本ラグビーフットボール協会が定める「選手の服装に関する規程」では、着用義務が課されているのは高校生以下のカテゴリーであり、大学生を含む一般カテゴリーの選手には協会規定上の着用義務はありません。
協会規定の該当箇所
同規程第4条7項には「ヘッドギア及びマウスガード着用は、高校生以下については義務とする。ヘッドギアの色は白、黒、紺、グレーが望ましく、マウスガードは赤色を不可とする」と明記されています。つまり、大学の対抗戦・リーグ戦・関西リーグ・九州リーグに出場する大学生選手については、協会規定上は任意という扱いです。所属する大学・チームによっては、部の内規としてマウスガードの着用を義務づけている場合もあるため、実際の運用はチームの方針や監督・トレーナーの指導方針を確認しておくと安心です。
義務でなくても着用したほうがよい理由
協会規定上は任意であっても、大学生の体格・スピードでの接触は高校生以下より強くなる傾向があります。歯の破折や口腔内の裂傷は治療に時間と費用がかかり、練習・試合を離脱する期間が生じる可能性もあります。義務の有無にかかわらず、コンタクトプレーに日常的に関わるポジションの選手ほど、着用を検討する価値があるといえます。
マウスガードの種類と特徴
マウスガードは大きく分けて「既製品」と「カスタムメイド」の2系統があり、既製品はさらに2つのタイプに分かれます。
| タイプ | 特徴 | 価格帯の目安 |
|---|---|---|
| ストックタイプ | あらかじめ成形済みのゴム製品。購入してそのまま使用できる | 1,000円〜2,000円程度 |
| バイトタイプ(ボイル&バイト) | お湯で軟化させてから自分の歯にかみ合わせて成形する | 数百円〜数千円程度(市販店で500円〜5,000円程度の製品も) |
| カスタムメイド | 歯科医院で歯型を採り、個々の歯並びに合わせて製作する | 5,000円〜30,000円程度(歯科医院・単色/多色で幅がある) |
ストックタイプ
既に形が決まっている既製品で、最も手軽に入手できます。ただし歯並びに合わせた調整ができないため、フィット感や呼吸のしやすさは他のタイプに劣る傾向があります。とりあえず1つ用意しておきたい入部直後や、予備として持っておきたい場合に向いています。
バイトタイプ(ボイル&バイト)
お湯で温めて柔らかくした素材を自分の歯にかみ合わせて成形するタイプです。ストックタイプよりは自分の歯型に近づけられますが、歯科医師が作るものと比べると適合精度は劣り、「プレー中に落ちやすい」「呼吸や発声がしにくい」と感じる選手もいるとされています。価格を抑えつつ一定のフィット感を求める場合の選択肢です。
カスタムメイド(歯科医院で作製)
歯科医院で歯型を採取し、一人ひとりの歯並び・かみ合わせに合わせて精密に成形するタイプです。フィット感・衝撃吸収性・呼吸や発声のしやすさのいずれにおいても既製品より優れているとされています。保険適用外の自費診療となる点は事前に確認しておく必要があります。費用は歯科医院によって幅がありますが、単色仕上げでおおむね1万円前後からという事例が紹介されています。
限られた予算の大学生はどう選ぶか
大学の部活動は部費・自己負担のバランスが部ごとに異なり、用具に回せる予算も学年やポジションによってまちまちです。判断材料として、次のような考え方が実務的です。
- フロントロー(プロップ・フッカー)やコンタクトの頻度が高いポジションは、シーズンを通して使用頻度が高いため、初期費用がかかってもカスタムメイドを検討する価値があります。
- 入部したばかりで自分のポジションや続け方がまだ固まっていない新入部員は、まずストックタイプかバイトタイプで様子を見て、本格的に競技を続ける段階でカスタムメイドへ切り替えるという段階的な選び方も現実的です。
- 同期・先輩の使用状況を参考にするのも一つの方法です。部内で使われているタイプやメーカーには、これまでの経験から得られた傾向が反映されていることが多く、トレーナーがいる部であれば相談してみるとよいでしょう。
- 経済的な負担が気になる場合は、既製品からカスタムメイドへの切り替えを、進級や試合出場機会の増加といった節目に合わせて検討するのも一案です。
色の規定と手入れ・買い替えの目安
日本ラグビーフットボール協会の規定では、マウスガードの色について「赤色を不可とする」と明記されています。出血と見分けがつきにくくなることが理由とされ、白・乳白色・透明・黒・紺といった色を採用しているメーカーが多く見られます。購入前に、所属する大会・カテゴリーの規定やチームの内規で色の指定がないかも確認しておくと安心です。
マウスガードは使用を重ねると変形や摩耗が進み、フィット感が落ちていきます。ひびが入った、かみ合わせがゆるくなった、変色や臭いが気になるといった状態になったら、保護具としての機能が低下しているサインです。シーズンの節目や進級のタイミングで状態を確認し、必要に応じて買い替えを検討しましょう。使用後は水洗いし、専用ケースで保管するなど清潔を保つ工夫も、次のシーズンまで安心して使い続けるうえで大切です。
まとめ
大学生のマウスガード着用は、日本ラグビーフットボール協会の規定上は義務ではなく任意です。ただし、大学生の体格・スピードでのコンタクトプレーを考えると、着用を検討する価値は十分にあります。まずはストックタイプ・バイトタイプで様子を見て、コンタクトの多いポジションや本格的に競技を続ける段階でカスタムメイドへ切り替えるという段階的な選び方が、限られた予算の中では現実的です。色は赤色以外を選び、変形や摩耗を感じたら買い替えのサインと捉えてください。
自分の大学がどの地区・カテゴリーに所属しているか気になる人は、関東大学対抗戦Aグループの所属チーム一覧や関東大学リーグ戦1部の順位表からラグビーマニアの一次データを確認してみてください。
出典
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