トレーニング 2026-09-15
ラグビーのオフシーズン筋トレメニュー|大学生部員向け実践ガイド
オフシーズンに入ると、「とりあえずジムに行って好きな種目をやる」「先輩に聞いたメニューをなんとなく続ける」という状態になっていないでしょうか。シーズン中は技術練習や試合対応に時間を取られ、腰を据えて身体づくりに取り組めるのはオフシーズンだけという大学生プレーヤーは多いはずです。この記事では、オフシーズンの筋トレをどう位置づけて計画すればよいか、大学ラグビーの現場で優先したい部位や種目の考え方、そして限られた設備・時間の中で実践するための工夫を、ストレングス&コンディショニングの専門機関が公開している情報をもとに整理します。
オフシーズンの筋トレ、なんとなく続けていませんか
大学の部活動では、オフシーズンの過ごし方が個人やグループの裁量に委ねられている場合が少なくありません。合同トレーニングの時間が決まっていても、その中身まで細かく管理されているとは限らず、「何を」「どの順番で」「どれくらいの期間」やるかは選手自身の理解に左右されがちです。目的があいまいなまま重い重量を扱う種目ばかりを続けたり、逆に毎回違う種目を試して効果を実感できないまま終わってしまったりするケースもあるでしょう。まずは、オフシーズンという期間全体をどう設計するかという視点から整理していきます。
オフシーズンをどう位置づけるか(期分けの考え方)
NSCAジャパン(全米ストレングス&コンディショニング協会日本支部)は、トレーニングプログラムを一定期間ごとに区切り、扱う要素に変化を加えることで継続的な効果を引き出す考え方を「ピリオダイゼーション(期分け)」として紹介しています。同じ内容のトレーニングを漫然と続けていると、いずれ効果が頭打ちになりやすい傾向があるとされており、オフシーズン・プレシーズン・インシーズンといった期間ごとに目的を変えることが、体力の維持・向上や怪我の予防につながる考え方として位置づけられています。
オフシーズン前半:土台をつくる
オフシーズンに入った直後の期間は、シーズン中に落ちた基礎的な筋力・可動域を取り戻し、これから先の強化に耐えられる土台をつくる時期と捉える考え方があります。フォームの見直しや、比較的扱いやすい重量で回数を重ねるところから始めると、その後の負荷を上げる段階へスムーズにつなげやすくなります。
オフシーズン後半:専門的な強化につなげる
土台ができてきた段階では、ラグビーの動き(当たる・押す・加速する)に近づけた、より専門的な強化へと比重を移していく考え方が一般的です。ただし、どの時点で切り替えるか、どの程度負荷を上げるかは個人の状態やそれまでの経験によって差があります。自己判断だけで一気に負荷を上げるのではなく、可能であればトレーナーや顧問など専門家の助言を得ながら段階を進めることが望ましいとされています。
大学ラグビーで優先したい部位と種目の考え方
上位表示される多くの筋トレ記事は、ラグビーで鍛えるべき部位として下半身(大腿四頭筋・ハムストリングス・大臀筋など)を優先しつつ、体幹・上半身もバランスよく鍛える方針を共通して示しています。オフシーズンの限られた期間で網羅的に取り組むより、優先順位を意識して配分を決めることが現実的です。
下半身:対人プレーの土台
スクラムやコンタクト、加速・減速といったラグビー特有の動きは下半身の力に支えられている部分が大きいとされます。スクワット系やヒンジ系(デッドリフト等)の種目が代表的に紹介されていますが、フォームが崩れた状態で重量だけを追うと怪我のリスクが高まる可能性があるため、フォーム習得を優先し、無理のない範囲で段階的に負荷を上げていくことが大切です。
体幹・股関節まわり:コンタクトの安定性
体幹や股関節まわりの筋力は、当たり負けしない姿勢の維持やタックル時の安定性に関わるとされています。プランクやその発展系の種目が定番として紹介されることが多く、道具をあまり使わずに取り組みやすい点も、限られた環境で実践する大学生にとっては現実的な選択肢になります。
上半身:押す・引く・支える動き
ベンチプレスやローイング系の種目で「押す」「引く」動きをバランスよく鍛える方針が一般的です。パスやオフロード、モールでの押し合いといった場面を想定し、上半身の筋力もオフシーズンのうちに底上げしておきたい部位のひとつとされています。
| 部位 | 代表的な種目の例 | ねらい |
|---|---|---|
| 下半身 | スクワット系、ヒンジ系(デッドリフト等) | 対人プレー・加速減速の土台 |
| 体幹・股関節 | プランク系、股関節まわりの補強種目 | コンタクト時の姿勢安定 |
| 上半身 | ベンチプレス系、ローイング系 | パス・オフロード・押し合いの力 |
具体的な重量・回数・セット数は、個人の経験年数や体格、既往歴によって適切な範囲が大きく異なります。この記事では断定的な数値を示すことはあえて避けますので、実施にあたっては大学の部やトレーナー、顧問と相談しながら、無理のない範囲で段階的に進めることをおすすめします。
大学生ならではの環境で実践する工夫
社会人アスリートやプロ選手を想定した記事の多くは、専用のトレーニング施設や専属のトレーナーがいることを前提にしている場合があります。一方で大学の部活動では、大学のトレーニングルームの利用時間が限られていたり、器具の台数が少なく順番待ちが発生したりすることも珍しくありません。こうした環境を前提に、次のような工夫が現実的な選択肢になります。
- 合同トレーニングの時間を最大限活用する:個人任せのメニューになりがちな時間こそ、期分けの考え方に沿って「今は土台づくりの時期」「そろそろ強度を上げる時期」といった共通認識を仲間と持っておくと、時間の使い方に迷いが減ります。
- 器具が限られる場合は自重種目を組み合わせる:プランクや自重スクワットなど、器具がなくても取り組める種目を組み合わせることで、混雑する時間帯でもトレーニングを止めずに続けやすくなります。
- 仲間とフォームを確認し合う:専属トレーナーが常時いるとは限らない環境では、部員同士でフォームを動画に撮って確認し合うといった工夫も、怪我予防の観点から役立つとされています。
- 授業・試験期間との両立を見込んでおく:オフシーズンは学業のスケジュールとも重なりやすい時期です。無理に毎回同じ強度を維持しようとせず、忙しい週は頻度を落とすなど、継続できる形に調整することも大切です。
負荷設定と怪我予防で気をつけたいこと
オフシーズンの身体づくりは、シーズン中の怪我のリスクを減らす目的も兼ねています。だからこそ、焦って負荷を上げすぎることは避けたい行動です。フォームが崩れた状態での高負荷トレーニングや、休養を十分に取らないまま毎日高強度のメニューをこなすことは、オーバートレーニングや怪我につながる可能性があるとされています。個人差が大きい領域であるため、「この重量・回数が正解」という唯一の答えはなく、体調や技術習得度に応じて調整することが前提になります。判断に迷う場合は、無理に自己流で進めず、部のトレーナーや顧問、可能であれば専門のトレーニング指導者に相談しながら計画を立てることをおすすめします。栄養や睡眠といった回復面の土台があってこそ筋力トレーニングの効果も出やすくなるとされているため、トレーニングメニューだけでなく生活リズム全体を整える視点も持っておくとよいでしょう。
オフシーズン明け、シーズンへどうつなげるか
オフシーズンの身体づくりは、それ自体が目的ではなく、次のシーズンに向けた準備です。自分の所属するチームが対抗戦・リーグ戦・関西リーグ・九州リーグのどのカテゴリーに属し、直近のシーズンでどのあたりの順位にいたかを把握しておくと、オフシーズンに取り組む姿勢にも張り合いが出てきます。たとえば関東大学対抗戦Aグループの順位表や関東大学リーグ戦1部の試合日程からラグビーマニアの一次データを確認し、自チーム・対戦相手の立ち位置を意識しながらオフシーズンの計画を立ててみてください。
まとめ
オフシーズンの筋トレは、なんとなく種目をこなすのではなく、「今の時期は何のためのトレーニングか」という期分けの考え方を持つことで、より効果的に取り組みやすくなります。大学ラグビーの現場では下半身・体幹・上半身をバランスよく優先しつつ、大学の施設や仲間との時間を工夫しながら実践することが現実的です。負荷設定は個人差が大きい領域のため、無理のない範囲で、必要に応じてトレーナーや顧問と相談しながら進めてください。オフシーズンの積み重ねを、シーズン開幕後の自チームの戦いぶりにつなげていきましょう。
出典
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