部活運営 2026-10-14
大学ラグビー部の協賛依頼、提案資料と依頼文の作り方|企業に「届く」伝え方の基本
「協賛をお願いしたいけれど、何をどう伝えればよいのか分からない」。ラグビー部の渉外・会計担当の学生から、こうした声はよく聞かれます。日本ラグビーフットボール協会(JRFU)は2025年3月に「大学生以上のチームを対象とする商業活動に関する運用ガイドライン」を発表し、同年4月1日付の規定見直しにより、大学の公式戦ユニフォームへの企業ロゴ掲出が可能になりました。制度が整った今、差がつくのは「企業に伝わる形で依頼できるか」です。
この記事では、協賛をお願いする前に整えておきたい準備と、提案資料・依頼文の作り方、依頼後のフォローまでを順に整理します。ルール変更の背景や実際の契約事例は、大学ラグビー部がスポンサーを獲得するには?で詳しく扱っていますので、あわせてご覧ください。
依頼の前に確認しておくこと
大学・協会のルールを先に押さえる
ユニフォームへの広告掲出は、JRFUのガイドラインだけでなく、所属大学や体育会、所属する地区協会(関東・関西・九州)の運用にも左右されます。企業に話を持ち込んでから「大学の承認が必要だった」と分かると、相手に迷惑がかかります。次の点を、顧問・監督・体育会の窓口に事前に確認しておきましょう。
- 協賛を受け付けてよいか、学内の承認手続きはあるか
- 協賛金の受け取り口座(部の口座か、大学・後援会経由か)
- 掲出できる媒体(ユニフォーム、練習着、ウェブサイト、SNSなど)の範囲
協賛金の使いみちを決める
「お金が足りないのでお願いします」だけでは、企業は判断できません。遠征費、用具費、トレーニング環境の整備など、何に充てるのかを決めておきます。費目ごとの現状は、部の会計・予算管理の記事の年間計画の考え方が整理に役立ちます。
提案資料に入れたい6つの項目
提案資料は、枚数よりも「相手が知りたいことに答えているか」が大切です。A4で数枚、あるいはスライド5〜8枚程度に収めると、忙しい担当者にも読んでもらいやすくなります。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 1. 部の紹介 | 創部年、所属リーグ・カテゴリー、部員数、練習拠点 |
| 2. 直近の実績と目標 | 昨季の成績、今季の目標、目標に向けた取り組み |
| 3. 協賛の目的と使いみち | 何のために、どの費目に充てるのか |
| 4. 提供できる価値 | ロゴ掲出、SNS・ウェブでの紹介、試合会場での案内など |
| 5. 活動の見える化 | 試合日程、観戦者の傾向、SNSのフォロワー数など(実数で) |
| 6. 窓口と連絡先 | 担当者名、連絡先、顧問・監督の名前 |
数字は盛らず、確認できるものだけを書く
試合結果や順位は、所属地区協会の公式情報に基づいて書きます。SNSのフォロワー数や観戦者数も、実際の数字をそのまま載せましょう。小さな数字でも、正確であることが信頼につながります。リーグの仕組みを企業の担当者が知らない場合も多いので、対抗戦とリーグ戦の違いなどは一言添えておくと親切です(参考:対抗戦とリーグ戦の違い)。
金額や条件の書き方
協賛のメニューや金額は、部の規模や企業の予算によって大きく異なります。相場を真似るのではなく、顧問や大学の担当者と相談したうえで、部として無理のない内容を決めましょう。最初から細かい料金表を作り込むよりも、「どの程度の関わり方ができるか」を複数案示し、企業側の希望を聞く形のほうが話は進みやすくなります。
依頼文の構成
メールや手紙の依頼文は、次の流れで書くと読みやすくなります。
- 宛名と挨拶:会社名・部署・役職・氏名を正確に。分からなければ調べてから送る
- 自己紹介:大学名、部名、自分の役職と名前
- お願いの趣旨:協賛(または支援)を検討いただきたい旨を、冒頭で端的に
- 部の紹介と協賛の使いみち:詳細は添付の資料に任せ、本文は要点のみ
- お願いしたいこと:「資料をご覧いただき、一度お話しする時間をいただけないか」など、最初の一歩を小さく
- 連絡先と返信期限の目安:相手が動きやすいように
ポイントは、最初から協賛の決定を求めないことです。まずは資料を読んでもらい、話を聞いてもらう。この小さなお願いのほうが、企業側も応じやすくなります。
誰に、どこからアプローチするか
見ず知らずの企業に一斉にメールを送るよりも、すでに接点のある相手から始めるほうが現実的です。
- OB・OGの勤務先や経営する会社:OB会・後援会を通じて紹介してもらう(参考:OB会・後援会の役割)
- 練習場や大学周辺の企業・商店:日頃からお世話になっている地域の相手
- 部員の保護者の勤務先:保護者会を通じて相談する
- 部の取り組みに関心のありそうな企業:スポーツ、健康、食品、地域に関わる企業など
ただし、部員やOBの個人的なつながりを使う場合は、断りやすい形でお願いするのが礼儀です。「無理のない範囲で、まず話だけでも」という姿勢を忘れないようにしましょう。
協賛をいただいたあとの報告とお礼
協賛は、決まってからが本番です。継続して支援してもらえるかどうかは、その後の対応で決まると言っても過言ではありません。
- お礼は早く、具体的に:入金や契約の連絡を受けたら、すぐにお礼を伝える
- 約束した露出を確実に実行する:ロゴ掲出やSNS紹介など、合意した内容を漏らさない
- シーズンごとの報告:試合結果、協賛金の使いみち、部員の声を短くまとめて送る
- 試合や練習への招待:実際に部の活動を見てもらう機会をつくる
協賛金の収支は、部の会計に正確に記録し、引き継ぎ資料にも残しておきましょう。担当が代わっても関係が途切れない仕組みが、翌年以降の協賛につながります。
資金確保の入口として、無料の掲載窓口も
自分たちだけで企業を探して連絡するのは、時間も労力もかかります。体育会部活動の協賛マッチングを手がける「ツナカレ」では、部活動向けの協賛募集の掲載を無料で受け付けています。部の情報や活動を発信する場をひとつ持つことで、企業側から見つけてもらえる可能性が生まれます。掲載を検討する場合は、ツナカレの部活動向け掲載ページから詳細を確認してみてください。
なお、協賛の具体的な内容や条件は案件・企業ごとに異なります。実際の内容は、必ずサービス側の案内で確認してください。協賛以外の資金源も含めた全体像は、部費が足りない理由と5つの資金源にまとめています。
まとめ
- 依頼の前に、大学・協会のルールと、協賛金の受け取り方、使いみちを確認する
- 提案資料は、部の紹介・実績・使いみち・提供できる価値・連絡先を、確認できる数字で簡潔に示す
- 依頼文は「まず話を聞いてもらう」という小さなお願いにする
- まずはOB・OG、地域、保護者など、すでに接点のある相手から始める
- 決まったあとの報告とお礼が、翌年以降の支援につながる
出典
- 日本ラグビーフットボール協会「大学生以上のチームを対象とする商業活動に関する運用ガイドライン」(2025年3月発表、同年4月1日付で規定見直し):日本ラグビーフットボール協会
- 関東ラグビーフットボール協会
- 関西ラグビーフットボール協会
- 九州ラグビーフットボール協会
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